- 「おっと、それは僕がやったんじゃないよ、僕じゃなくヴォイドだ。いい日もあるし、自分が無敵だと感じる日もあるけど、その後は酷い日が続いて、何もかもがどうでもいいってことを思い出すんだ、わかる?」
- -ボブ・レイノルズ
ロバート・レイノルズは究極のスーパーヒーローを生み出すことを目的としたOXEの作戦、セントリー計画に参加したドラッグ中毒者。プロジェクトの他の被験者たちとは異なり、実験を生き延びて絶大な力を得たが、失敗者と誤認され、記憶の一部を消去された状態でOXEの金庫室に収監された。エレーナ・ベロワ、USエージェント、ゴーストの衝突中に解放され、生きて脱出するために彼らと協力することを余儀なくされた彼はすぐに自分の能力を発見した。ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌの元に連行されてスーツを与えられ、セントリーと名付けられた。
ヴァルの命令でエレーナ率いるサンダーボルツを容易く圧倒したが、すぐに制御不能となり、彼の邪悪な別人格ヴォイドが解放されたことでマンハッタンに闇を広げ、市民を彼らの意識の中に引きずり込んだ。サンダーボルツが彼をヴォイドから解放して元の状態に戻す手助けをし、市民を解放した後、ヴァルにニュー・アベンジャーズと改名されたサンダーボルツに加わったが、セントリーに戻ることでヴォイドが復活するかもしれないという懸念から力を使うことを控えた。
生涯[]
人物[]
ボブ・レイノルズの人物像[]
- 「じゃあ、あなたはここに座って、それが支配するのをただ待つつもり?」
「抵抗しても意味がない。」- -エレーナ・ベロワとボブ・レイノルズ
ヴォイドの人物像[]
- 「あいつらがお前のことを気にかけてくれると思うか?お前は誰にとっても重要じゃない。」
- -ヴォイド
能力[]
- 「彼は無敵で全能、アベンジャーズ全員を合わせても敵わない。」
- -ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ
- 人工的に強化された生理機能:セントリー計画で投与された試験薬の影響により、数々の力と能力を獲得し、非常に強力なスーパーヒーローへと変貌を遂げた。ヴォイドの影響下では、極めて危険な脅威となる。バッキー・バーンズ、ジョン・ウォーカー、レッド・ガーディアンといったスーパーソルジャーを遥かに凌駕する肉体的特性に加え、数々の超自然的能力も備えている。
- 超人的な力:計り知れないほどの力を持つ彼はサンダーボルツとの戦闘で、ジョン・ウォーカーの盾を容易く曲げ、バッキー・バーンズを圧倒し、義腕のパンチを片手で受け止めて引きちぎるなど、難なく圧倒した。
- 超人的な耐久力:彼の肉体は外見に目に見える損傷を与えることなく、極度の身体的外傷にも耐えることができる。最高口径の銃弾にも動じず、高所からの超高速落下も同様に無傷である。バッキー・バーンズのパンチやエレーナのブラック・ウィドウズ・バイトによる電撃を含め、サンダーボルツの攻撃にも全く無傷だった。
- 超人的なスピード:目で追えないほどの速度で移動することができ、動きが残像のように見え、部屋1つ分の距離をほぼ瞬時に移動することができる。また、空中を高速で移動することも可能。
- 超人的なスタミナ:並外れたスタミナを持ち、苦労や疲労の兆候もなく多数の敵と戦うことができる。
- 超人的な反射神経:高速で移動する攻撃や物体に反応できる。
- 再生治癒因子: プロジェクトで何か問題が発生した場合に彼を止めるために設計されたキルスイッチによって一度殺されたが、数分のうちに完全に回復した。
- 飛行:飛行と浮遊が可能で、地面から任意の距離をホバリングし、空中を猛スピードで飛行することができる。この能力を初めて発揮した際、誤って数百フィートの空中に身を投げ出し、急速に落下したが、その後はより優れた制御能力を発揮し、自由に上昇・下降できるだけでなく、飛行速度も制御できるようになった。
- サイオニクス: 身体的特徴に加えてさまざまなサイオニック能力を備えており、ある程度、精神を駆使して現実と直接やりとりすることができる。
- テレキネシス:精神で物や人を動かしたり操ったりすることができる。手をかざすだけで、人間や複数の弾丸を空中で止め、投げ返すこともできた。
- テレパシー:他者の心と対話し、物理的に接触することで対象者の記憶を共有することができる。
- 物質操作: 実体のない状態のゴーストを掴み、彼女がフェージングするのを止めることができた。
- 発熱:遠隔操作で高熱を発生させることができる。テレキネシス能力を使ってコップの水を動かした際、誤ってコップの中身を沸騰させてしまった。また、ジョン・ウォーカーの銃を見つめるだけで過熱させ、無効化した。さらに、バッキー・バーンズの義腕も過熱させた。
- 闇の操作:ヴォイドの力で強化された彼の影は急速に拡大する闇を解き放ち、街の大部分を飲み込むことができる。存在自体が黄色く光る瞳孔を除いて、歩く影へと変貌する。片手をかざすだけで、対象者を自身の最も深い後悔と向き合うことを強いる影の領域へと追いやることができる。この制御不能な状態においては彼の声さえも変化し、全く別の人格が顕在化する。
- 戦闘スキル:正式な能力訓練を受けていないにもかかわらず、その能力を駆使してサンダーボルツを圧倒し、撤退を強いるのに十分な能力を持っている。自身の闇の別人格ヴォイドとも戦って彼を打ち負かした。
装備[]
- セントリースーツ:OXE社から支給された青と黄色のスーツを着用している。このスーツは質感のあるハイテク合成繊維で作られており、胴体と脚には黒い角張った線が幾何学模様を描き、着用者の筋肉を強調している。また、肩と首にはダークグレーのパネルが施され、半装甲の襟を形成している。スーツには金色のアクセントが付いたメタリックグレーのガントレット、セントリーを意味する『S』ロゴが入ったベルト、長く流れるような青いケープ、そして金色の裏地が付いたダークブルーのブーツがアクセサリーとして付いている。しかし、セントリーがヴォイドに支配された際にスーツの色は完全に黒に変わり、ボブが支配権を取り戻した後にはスーツ自体が消滅し、普通の衣装を着用するようになった。
トリビア[]
- コミックにおけるセントリーは元々ドラッグ中毒に苦むロバート・レイノルズという名の人間で、ゴールデンセントリー血清を投与したことで非常に強力な存在となり、物質とエネルギーを操る能力を獲得した。犯罪と戦うキャリアの中で、ダーク・アベンジャーズ、マイティ・アベンジャーズ、ニュー・アベンジャーズ、ホースマン・オブ・デスといった複数のグループに所属していた。
- しかし、セントリーは血清を摂取した際にヴォイドと呼ばれる強大な闇の存在とも結びついてしまった。この存在はボブの負の側面を体現し、対抗する力として作用する。後にこの闇の存在は紀元前1600年には死の天使として知られていたことが明らかになった。『キング・イン・ブラック』のストーリーラインでは、セントリーは後にヴォイドを同化したヌルに殺害された。しかし、エディ・ブロックと光の神がユニパワーを使ってヌルを太陽で蒸発させたことで、ヴォイドは消滅した。
舞台裏[]
- セントリー役には当初スティーヴン・ユァンがキャスティングされていたが、スケジュールの都合で降板してルイス・プルマンが後任になった。
- ユァンがセントリー役を演じることは、ロバート・カークマンによって初めて発表されたが、当時はそれが未公表の情報であることを彼は知らなかった。
- 『サンダーボルツ*』におけるヴォイドのデザインを制作する際、クルーは広島への原爆投下後に残された影の写真からインスピレーションを得た。
- 面白いことにプルマンは『トップガン マーヴェリック』でもボブというキャラクターを演じていたため、同じ名前のキャラクターをもう一度演じたくなかった彼はジェイク・シュライアー監督にキャラクター名を変更するように依頼したが、この提案は却下され、コミックではボブがセントリーの本名として既に確立されていると伝えられたと明かした。
- ジェイク・シュライアー監督はインタビューで、当初脚本家はセントリーのオリジンストーリーをコミックにより忠実に描くつもりだったと明かした。コミックでは、ロバート・レイノルズがヴォイドの出現を阻止するために彼の存在に関する記憶を世界から消し去っていた。しかし、この設定は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のクライマックスとの類似性から変更された。同作は周囲の愛する人を守るためにピーター・パーカーがスパイダーマンであるという秘密の正体に関する記憶を世界から消し去る呪文をドクター・ストレンジに唱えさせるという内容だった。