- 「私は自分の仕事を未完のままにしておくつもりはない。」
- -ヘルムート・ジモ
バロン・ヘルムート・J・ジモはソコヴィアの貴族で、ソコヴィア軍元大佐、エコー・スコーピオンの指揮官。ソコヴィアでの戦いで家族を失った後、アベンジャーズを始めとする世界の超人への復讐を企てる犯罪の首謀者となり、彼らを滅ぼすことに執着するようになった。アベンジャーズには敵わないと分かっていた彼は彼らを自滅させるために国連爆撃とティ・チャカ殺害の罪をバッキー・バーンズに着せ、スティーブ・ロジャースがバーンズを擁護するように仕向けた。計画通りにアベンジャーズの内紛を引き起こした彼は自分とバーンズ捜索の指揮を取っていたトニー・スタークにバーンズが両親殺害の犯人であることを暴露した。アベンジャーズが崩壊すると、銃で自殺を図ったが、ティ・チャラに拘束されて対テロ共同作戦本部に収監された。
8年後、バーンズの協力で脱獄し、サム・ウィルソンと共にフラッグ・スマッシャーズの追跡のために協力を要請された彼は超人兵士を永久に葬るために同意した。ウィルソンとバーンズをマドリプールまで連れて行き、そこで遭遇した新型血清の開発者ウィルフレッド・ネイゲルを殺害した。ラトビアでフラッグ・スマッシャーズを見つけた彼は残っていた血清の小瓶を1つを除いて根絶した後、ジョン・ウォーカーとドーラ・ミラージュの対立に巻き込まれ、両者とも彼を拘束しようとしたが、隙を突いて逃亡した。ソコヴィアの慰霊碑を訪れ、バーンズと和解した後、ドーラ・ミラージュに身柄を引き渡され、ラフトで刑期を続けることになった彼は執事エズニックにフラッグ・スマッシャーズ残党4人の始末を遂行させた。
ヒストリー[]
ソコヴィアの戦い[]
ソコヴィア出身で特殊部隊エコー・スコーピオンを率いていたヘルムート・ジモ大佐は、ウルトロンの蜂起によって空に浮かんだソコヴィアでの戦いで父と妻、そして息子を亡くす。ヒーローたちが引き上げた後ジモが二日かけて彼らを探し出したが、父はふたりを抱きかかえたまま息絶えていた。このことから彼はアベンジャーズを殺し合わせる計画を開始した。
ヒドラの遺産[]
ジモはウィンター・ソルジャーになりすまし、ウィーンで行われていたソコヴィア条約の署名式を爆破。ワカンダ王国のティ・チャカ王を含む何人もの犠牲者を出す。その後クリーヴランドに潜伏していたヒドラの残党のひとりVasily Karpovを拷問し、ウィンター・ソルジャーを操るためのキーワードが記された手帳を入手する。
ジモの思惑通り、国際指名手配犯となったウィンター・ソルジャーことバーンズは潜伏していたブカレストで逮捕された。精神科医を殺してなり替わったジモは手帳のキーワードを使い、拘束されていたバーンズを操って暴走させる。混乱に乗じてスティーブ、サムとともにバーンズは脱走した。
復讐の果てに[]
キャプテン・アメリカ、バッキー、アイアンマンの3人は協力してジモを追い詰めた。しかしジモが利用するはずだったウインターソルジャー計画の実験体たちはジモ自らの手で始末されていた。キャプテンがその意図を問うと、彼は自らがソコヴィアの人間でありアベンジャーズ達によって全てを失ったと復讐心を露わにした。そしてジモはトニー・スタークにウィンター・ソルジャーに殺された両親の防犯カメラの映像を見せた。取り乱したアイアンマンは、キャプテン・アメリカがこのことを知っていながら隠していたことを明かし、彼らの友情は再び崩れ落ちる。
目的を果たしたジモは1人施設を出て携帯電話に残されていた妻からの最後のボイスメール・メッセージを聞き、そして削除した。彼がアベンジャーズを破壊しようとした理由を思い出すために聞いたメッセージそのものである。彼もまた、復讐心に駆られた悲しき者だった。ジモはワカンダの王子に自身の胸の内を明らかにすると同時に、彼の父親を殺してしまったことを謝り、その息子の手にかかって自らの人生に終止符を打とうとしていた。しかしティ・チャラはジモに同情し、ジモの経緯と復讐心によって友情が破綻したキャプテンとトニーを思い、その連鎖を断つためにジモが自ら命を絶つのを防いだのである。
地獄から天国へ
その後、ジモはドイツ国内の別の刑務所に移送され、2024年まで収監されていた。バッキー・バーンズは「フラッグスマッシャー」という新しいスーパーソルジャー集団の情報を得ることを条件に脱獄を手助けした。ジモはバーンズ、サム・ウィルソンと一時的に活動を共にし、無法者の天国のような場所とされるマドリプールという小さな島の海賊国家に向かった。
再び地獄へ
その後、バーンズはアヨとの約束の通り、ティ・チャカ王を殺害したジモをドーラ・ミラージュに引渡し連行、ジモはラフト刑務所に監禁されることとなった。
性格[]
- 「私には経験がある。そして忍耐力も。それらがあれば何だってできる。」
- -ヘルムート・ジモ
家族を失うまでは家族思いの善良な性格だった。
全てを失った彼は目的の為ならあらゆる手段を取ることに迷いはない。しかし罪悪感がないわけでもなく、罪のないティ・チャラの父親の命を奪ってしまったことや、バッキーを一時的に利用していたことに対しては正面から謝意を示し、罰として死を受け入れる覚悟もある。一方で超人=危険だという思想から一種の正義感により再び暴走する危険性も持ち合わせている。
力と能力[]
ヘルムート・ジモは、スーパーヒーローチームであるアベンジャーズを分断するための一連の出来事を、世界最大級の情報収集機関に気づかれないように画策することができる巧みな戦略家である。また超人的な能力は持たないが、元工作員としての経験からか、兵士として優れた戦闘能力を持つ。
能力[]
- 優れた拳銃の射手
- 優れた戦闘能力
- 優れた頭脳
- 優れた戦略家
装備[]
武器[]
- スミス&ウェッソン6906:この武器をシベリアに持ち込み、ウィンター・ソルジャーたちを殺害した。個人的な任務を完了した彼は妻の最後の音声メッセージを聞くために施設の外に戻り、この銃で自殺を図ったが、ブラックパンサーが全ての罪に対する裁きを受けさせるために阻止した。
- デザートイーグルマークVII:ヴィンテージカーのトランクに金メッキのピストルを保管していた。
- Taurus PT100:ヴィンテージカーのトランクにもう一丁のピストルを保管していた。
- リボルバー: ヴィンテージカーのトランクにリボルバーも保管していた。
- IWI マサダ:マドリプールでこの拳銃を見つけ、シャロン・カーターと対峙する前にそれを犯罪者に向けた。
- CZ P-10:研究室に隠されていたこの銃を発見し、ウィルフレッド・ネイゲルを射殺した。その後、造船所での奇襲攻撃でもこの銃を効果的に使い、ガスタンクを爆発させて複数の傭兵を仕留めた。更にGRCキャンプからの脱出を試みるカーリ・モーゲンソウを発見した彼はこの銃で彼女を銃撃した。
- シュタイアー M9-A1:バッカニア湾で賞金稼ぎに襲われた際、傭兵のピストルを奪い、それを使って別の傭兵を殺害した後、ピストルを奪った傭兵を射殺した。
- 12 ゲージ 二連式ショットガン: ヴィンテージカーのトランクにショットガンも保管していた。
- AK-103:作戦中、 EKOスコーピオン隊員全員が標準装備としてこのライフルを携行していた。
その他の装備[]
- マスク:ベルリン刑務所からの脱獄後、紫色のバラクラバマスクを含む所持品を回収するため、家族のガレージに戻った。ウィルフレッド・ネイゲルの研究所で襲撃された際、このマスクで身元を隠した彼は追ってきた賞金稼ぎたちを惨殺し、逃走用の車を見つけるとマスクを外した。
- 防弾ベスト:作戦中、 EKOスコーピオン隊員全員の標準装備としてこのベストを着用していた。
- 「ヒドラが俺に投与したものはまだ全てそこにある。奴がしなければならなかったのはあの忌々しいトリガーワードを俺に吹き込むことだけだった。」
- -バッキー・バーンズ
- ウィンター・ソルジャーの本:オハイオ州クリーブランドのヴァシリー・カルポフを拷問し、溺死させた後、彼の自宅からこの本を盗み出した。この本にはウィンター・ソルジャー計画に関するあらゆる情報が記載されており、バーンズがベルリンで拘留されていた際にヒドラによって作り出されたウィンター・ソルジャーの思考パターンを活性化させるために使ったトリガーワードもいくつか含まれていた。
- スティーブ・ロジャースのノート:バッキー・バーンズをより深く理解するため、彼のノートに書き込まれていた名前のリストをこっそりと盗み出した。バーンズと決着をつけた後、リストから自分の名前を消した。
トリビア[]
- コミックにおけるヘルムート・ジモはドイツの男爵で、ハインリッヒとヒルダ・ジモの息子、ジモ家の13代目の男爵である。ヒドラやマスターズ・オブ・イービルのいくつかの組織を率いたこと以外に、ジモはサンダーボルツのメンバーとして活動しているときにシチズンVに変装していた。顔が損傷した後、その傷を隠すために紫色のマスクを使用している。
- コミックにおけるチームとの繋がりから、バロン・ジモは当初『サンダーボルツ*』にカイザー・ソゼのようなキャラクターとしてエンドタグに登場する予定だった。脚本家のエリック・ピアソンとジョアンナ・カロは彼が物語にそぐわないと判断すると、すぐに削除された。